それから、僕らは時間も忘れて一緒にボールを追いかけた。 時には走ったり、時には転んだり。 一緒に泥まみれになりながら、時間はあっという間に過ぎて、気が付くと夕方になっていた。 「もう夕方だね。かえろっか」 「え?もうそんな時間?」 楽しかった。 これが率直な気持ちだった。 「野球、楽しいでしょ?」 「うん!!楽しい!!」 僕の感想に、ゆーやちゃんの表情も明るくなった。 「あ、ここ怪我してる…」 ふと見ると、膝に傷ができていて血が滲んでいた。