「…っうた!陽太!」 どこまでも白く汚れのない結晶が降り注ぐ中、ローファーが雪に埋もれていることも、自分がカッターシャツ一枚であることも忘れているかのように、陽太は運動場の真ん中にただひっそりと立っていた。 色のない空を眺めて、泣きそうに顔を歪めていた。 「陽太!」 「……きよ?」 手が彼に触れられる距離、ようやく陽太は私に気付いてこちらを向いた。天を眺めていた時の面影はなく、陽太は嬉しそうに目を細めた。 私が安堵して彼の胸に抱き着くと、足場が悪かったおかげで、二人して雪に埋もれた。