俺は立ち上がり、ナイフを構えた。

ジョーカーは息を乱している。

奴もまた、最大限に力を使ったのだろう。

しばらくは『炎』を使う気力がない様子だ。

俺は痛む足を動かし、徐々に近づいて行った。

ジョーカーは隠し持っていた銃を両手に構え、俺にはなった。

俺は右手で空間を殴った。

その衝撃は弾を弾き、向かう方向をずらした。

ジョーカーは何度も銃を撃つ。

だが、俺が銃弾の方向をずらすため、弾は四方にずれる。

次第にジョーカーの持つ銃の弾が無くなった。

空砲の音が辺りに響いた。


「糞野郎―――」


ジョーカーは銃を捨て、俺に殴りかかった。

俺は避け、ジョーカーの腹を殴った。

能力を使った打撃だ。

ジョーカーはビルの壁にまで吹っ飛んだ。

ぶつかった後、身体は地面に倒れ込んだ。

俺はナイフを握り絞めた。

ジョーカーは立ち上がろうとしている。


「終わりだ」


俺は能力を込めてナイフを投げた。

そのナイフはジョーカーのお腹に刺さった。


「グッ………」


ジョーカーは倒れた。