「本部に連絡を………」


外にいる警察官のリーダーが指示を出した。

五十嵐の側にいた警察官は本部に連絡を入れようとしている。


「………だめです。繋がりません」


警察官は動揺していた。


「我々は男を捕まえる。
その間にもう一方の入り口から五十嵐さんを逃がせ」


護衛の警察官は五十嵐を起こし、その指示通りに五十嵐を移動させようといた。

五十嵐は何が起きたのかを理解していない様子だ。

だが、護衛の一人が外に出た瞬間………

護衛の警察官は射撃を受けた。

すぐに引き返し、元の場所に戻った。

射撃を受けた警察官を見ると、射殺されていた。


「何だこれは………」


五十嵐は倒れた警察官を見て、動揺している。

五十嵐は逃げ場所を失った。

俺は外にいる警察官の様子を見た。

男に近づく者は誰もいない。

先程の光景を見て、接近戦での戦いは命を掛けることになると理解しているのだろう。

だが、男は事務所に近づいて行く。


「銃の使用を許可する。全員、構えろ」


警察官は装備している銃を男に向けた。


「撃て―――」


警察官はリーダーの指示で射撃を行った。

だが、男には効いていない様子だ。

男は突然、笑いだした。

そして、身体全体に炎で包みだした。

警察官はその姿に怯えている。

男はポケットから何かを取りだし、耳に当てた。


「『ジョーカー』より、『ホーク』へ。
これより敵を抹殺する」