裏切りの少年

―――9年前


『G』は『C』の暗殺計画を立てた。

『G』の隠密部隊であるアイド達がその任務に就いた。

ミコトが『ヘブン』の外に出ている間に襲撃………

襲撃時、俺は相棒のマンションにいた。

相棒は『ＰＣ言語解析』で世界各地の情報を集めるだけではなく、『G』の情報提供をしてくれた。

俺達は無防備だった。

油断していたのかもしれない。

突然の襲撃………

爆発音と同時に部屋に置かれた精密機械を破壊された。

マンションの最上階に位置する部屋なのに、ベランダからの攻撃だ。

男は俺達を見渡し、黒い刀を左手に造った。


「………ウルフ、逃げろ」


相棒は大きく叫び、男に向かって行った。


「馬鹿野郎………お前を置いて行くわけないだろ」


相棒は男に拳をぶつけるが、触れる前に止まった。

ミコトの使う『障壁』だろう。


「お前には『C』があるだろ。
俺なら大丈夫だ。
死ぬことなんて慣れている。
行け」


俺は相棒のことを信じて、部屋を出た。

部屋を出た後、俺は階段を使って一階まで降りた。

バイクに乗り、セルを押し、バイクを起動させた時………


バンッ………


相棒の部屋が爆発した。

俺が相棒の部屋を見ると、さっきの男が現れ、俺の方を見た。


「くそっ………」


俺は無我夢中でバイクを走らせた。

制限速度なんて関係なかった。

俺は逃げることしか考えてない。

こんなところで俺が死ぬわけにはいけない。

『C』を立ち上げるまでにどれ程かかったと思っているんだ。

走行中、ポケットに閉まった緊急ボタンを押した。

俺がバイクを走らせていると、道に一人飛び出してきた。

俺は避けると同時に壁にぶつかり、横転した。


「ぐっ………」


怪我は軽傷だ。

ただ、身体が痺れて動くことが出来ない。