「ああ。それでいい」


広川の復唱に間違いはなかった。


『いつ頃、引き継ぎになるか、現在決まっている段階でいいので教えてもらえないでしょうか』

「それはわからない。だが、近いうちに変わるだろう」

『わかりました。他に要望はありますか』

「特にない。以上だ」

俺は通信を切った。




車に戻ると、車内には運転手が座っている。

俺は運転手を無視して、眠りに入った。




俺がなぜ五十嵐の秘書を選んだのか。

それは『G』と思想が真逆なためだ。

俺が『G』の隠密部隊として仕事をしていたとき、政治家や技術者を中心に仕事をした。

俺も深くは考えていなかった。

なぜ『技術者』を『暗殺』していたのか。

後に技術者を調べたところ、『能力開発』の研究者が割合的に多かった。

それは俺の仕事でも実感していた。




俺が『G』にいたときに『能力開発』として
1.『西条の拉致』
2. 『Infinite Information』の製造中止

更に、世界での問題では、
1. 能力研究が進んでいない。
2.無能者のための『能力開発』が行われていない。
とある。




俺も初めから気付いてはいなった。

五十嵐と出会うことでそのことを知った。

つまり、『G』にとっては『能力開発』は何かしらの問題があるのだろう。

それは世界を揺るがすほどだ。