―――午後
午前に行われた国会で開かれた議会が終わり、五十嵐と共に朝食を取った。

その後、14時より開催される早川さんとの面談のために来るまで移動した。

移動中はいつも通りに俺は睡眠を取った。

目的地であるレストランに着いた。

このレストランは『ヘブン』国内でも有名なお店だ。

五十嵐はレストランに入った。

俺は車の中で五十嵐を待った。

これは早川が五十嵐と個人的に面談したいためだ。

そのため、面談で何を話されるのかは五十嵐が戻ってきてからでしか分からない。

五十嵐がいなくなり、時間に余裕が出来た。

俺は車を降りて、通信機でH社に連絡した。


『………っ、お電話いただきありがとうございます。
こちら―――』

「俺だ」


いつも通りに受付の丁寧な話を無視して話した。


『………アイザワ様ですね。しばらく、お待ちください。
担当者に変わります』


電話に出た女の声の後、しばらく保留音が流れた。


『お待たせしました。広川です』

「昨日は夜分遅くに会社を訪問してすまなかったな」

『いえ、僕としては仕事ができて嬉しい限りです』

「そうか。
今日連絡したのは、今後のことで話があるからだ」

『なんでしょうか』

「いづれ、俺はH社に行けなくなると思うんだ。
そこで、俺以外の奴が俺の契約を引く継ぐことになる。
それはいつになるか分からないが、その時にトラブルになる可能性が考えられる。
だから、引き継ぐ時にトラブルがないようにしたい」

『分かりました。具体的には何をすれば宜しいでしょうか』

「三段階の確認をしてくれ。
まず、俺の名前と仕事内容の確認。
その後、相手の名前を聞いてくれ。
名前は『ホーク』だ。
最後にそちらで造った引き継ぎ書類にサインしてもらい完了としてもらう。
ただし、サインは『×××』だ」


広川はすぐに答えなかった。

きっとメモを取っているのだろう。


『わかりました。
確認のため復唱しても宜しいでしょうか』


広川は俺の言ったことをその通りに答えた。