「いきなりですね………
まぁ、アイザワさんらしいや」

電話越しで広川の笑い声が聞こえた。




俺は五十嵐の秘書の仕事をして『Infinite Information』解析資金を手に入れた。

その資金を使い、民間企業のシステム会社のH社に依頼した。

そこで広川と出会った。

この会社は広川が社長をやり、同時に仕事もこなしている。

俺は会社の代表である広川を担当者に指定して、今もその関係は変わらない。

彼とは1ヵ月に一度しか会えない。

そのため、たまに通信機で連絡をしている。

依頼した『Infinite Information』解析とはゲーム内部のプログラムを書き換え、一般のゲームソフト同様のプログラムに書き換えることだ。

俺の考えではゲームの『最後のボス』を出現させることで『世界からの出方』の次のステップに進めると考えている。

そのため、プログラムを書き換えて、未だ出現しない『最後のボス』を強制的に出現させようとした。

当初は簡単な作業で書き換えが可能だと思えた。

だが、依頼して11年………

解析は全体の20%程しか進んでいない。

これはソフト内のウィルスと未知のプログラムが原因である。

広川は様々なウィルスを対処しながらプログラムの解析を行っている。

また、広川の話ではプログラムに規則性がなく、複数の未知のプログラムの集合体で構成されているものだと話していた。

現在、ソフト内で使用されているプログラムは3つまで規則性を発見した。