―――30分後
俺は五十嵐のいる部屋に向かった。

寝室を静かに開けて、五十嵐が寝たかどうかを見た。

五十嵐は熟睡している。

俺は部屋を出ると、通信機を取り出し、連絡先を入力した。

俺は静かに受話器に耳を当て、相手が出るのを待った。


「………っ、お電話いただきありがとうございます。
こちら―――」

「俺だ」


相手の丁寧な挨拶など興味がない。


「………アイザワ様ですね。
しばらく、お待ちください。
担当者に変わります」


電話に出た女の声の後、しばらく保留音が流れた。


「もしもし、アイザワさんですか」


馴染みのある男の声が聞こえた。


「ああ」

「どうしました。こんな時間に………」

「『Infinite Information』の解析はどこまで進んだ」