―――その後
俺は死体の処理もせずにビルの屋上を離れ、しばらく歩いた。

ダックの返り血が服に付いていたが、そんなことはどうでもよかった。

襲撃される前は『G』に所属しながら、これから色々と調べようとした。

だが、その前に議長が先手を打った。




―――公園
俺が歩いていると、小さい公園が見えた。

俺はその公園に入った。

暗闇を覆った公園でベンチの場所だけが照明を浴びている。

そこに俺は座った。

これから何をすればいいのだろう。

『G』から追われる身となった状態では今までの生活はできない。

強制的に俺は交わりたくない一般人と同じ生活をするわけだ。

姿を隠すことは簡単だ。生まれ変わり続ければいい。

そうやって逃げ続けるしか、今の俺にはない。


「………俺は何をやっているんだ」


苦痛の叫び声を洩らした。


『なぁ、ホーク。教えてくれ。
俺はあと何回死ねばいいんだ』
『もしかしたら、俺達は何か間違いを犯しているのかもしれない』


俺は一度気付いていたんだ。

でも、それがわかったところで俺には何もできなかった。

結局、生きる目的を見失い、誰かが用意した道を歩んだ。

だって、それが楽だった。考えずに決められた役割をすればいい。

生きたくもないのに、生きている。


「………俺は死にたいんだ」


気が付くと、俺は泣いていた。


身体の痛みからでもない………
精神の痛みからでもない………
魂の痛みからだった。


それは壊れかけた心に響いた。

涙を袖で拭き、俺は立ち上がり、夜空を見上げた。


『もう、辞めよう。
全てを………
そして、今日から新たな一歩を踏み出す』


俺は『G』の敵になった。