―――ビル屋上
俺が屋上の入口に着き、扉を開けると、銃声が辺りに響いた。

俺は壁に隠れ、銃撃音が止むのを待った。

しばらくして、銃声音が止んだので、俺は遠距離タイプに話しかけた。


「お前が『ダック』か」


俺は相手の様子を見ることができない。


「そうよ」女の声が聞こえた。

「どうして俺を狙った」

「任務だからに決まっているじゃない。
さっさと掴まってよ」


ダックが話し終わると、また撃ち始めた。

気の荒い奴だ。


「待て。なぜその任務をするのか、経緯を教えてくれ」


俺の話が聞こえたのか、銃撃は止んだ。


「それは掴まってから、教えてあげ………」


俺はダックが話している最中に、屋上へ飛び出した。

ダックはすぐさま、攻撃してきた。

だが、俺の方が早い。

俺は左腹を撃たれながらも、ダックの目の前まで近づいた。

その後、ダックの持つライフルを掴み、俺の持つ銃口をダックの胸に向けた。


「ライフルを地面に落とせ」


俺は銃口で突きながら言った。

ダックは素直にライフルを地面に放り投げた。

俺はライフルをダックの取れない位置まで蹴り飛ばした。

その後、ダックの腹を蹴った。

ダックは衝撃で地面に倒れた。

その姿を見て、ダックの背中に乗った。

ダックはうつ伏せの状態になり、その上に俺が乗っている状態になった。

俺はダックの肩甲骨の部分に銃口を向けた。


「あんた、馬鹿じゃないの。
自分から当たりに行くなんて………」


さすが『G』の隠密部隊だ。

死ぬことに何の恐怖心が見えない。