俺はマンションの階段を急いで降りた。

俺を狙った遠距離タイプの奴は接近タイプがやられたことで次の手を打つだろう。

この場合、遠距離タイプは標的を仕留め損ねたことで別の場所から射撃することが仕事だ。

素人同然の標的が運よく接近タイプの隠密部隊を倒したところで、警察を呼ぶことやその場を逃げることに専念するだろう。

だが、そこには隙が生じる。

そこを狙う。

だが、俺も隠密部隊だ。

俺のマンションの場所から狙撃ポイントを計算した。

さらに遠距離タイプの次の手を考えた。

隠密部隊も俺が同じ部隊に所属していることは調査済みだ。

これらの事から、遠距離タイプは作戦が失敗した時点でその場を離れて俺に近づいてくるだろう。

決して退散はしない。

なぜなら、逃げることは任務失敗を意味する。




―――マンション入口付近
俺はマンションの入り口に着いた。

狙撃されたポイントから遠距離タイプは入口に照準を定めることが可能な位置だ。

俺が外に出れば撃ってことは確実だ。

俺は深呼吸をした。

今頃、遠距離タイプは俺の行動を観察して次の手を模索しているだろう。

俺は入口の扉を開けた。

次の瞬間、撃ってきた。

俺はその場を離れ、数秒待った。

激しい銃声音が止むと、俺は走って入り口からでた。

出ると同時に再び銃声が周囲に響いた。

俺の住むマンションの正面に建つビルへ急いで走った。

走っている最中、俺の右肩に弾がかすめた。

俺は痛みを抑えながら走った。

俺はビルの入り口に着いた。

構造的に考えて、遠距離タイプから見れば死角の位置だろう。

俺は扉を壊し、中に入った。すぐにビルの屋上に向かう。

遠距離タイプの銃声音が聞こえればすぐに隠れるようにしながら、屋上に向かったが、狙撃は無かった。