―――数日後

俺はゲームショップにいた。

どうしても『西条ヨウの拉致』が気になったためだ。

あの任務と『Infinite Information』は関係ないかもしれない。

だが、試す価値はあると思えた。

俺は店内で『Infinite Information』を探した。

でも、どこにもソフトがない。

仕方なく、俺は店員に尋ねた。


「あの、ちょっといいですか」


作業をしていた店員は俺を見た。


「なんでしょう」


店員は立ち上がり、俺の方を見た。


「『Infinite Information』ってどこにあります」


店員はしばらく考えた後、話し始めた。


「こちらにどうぞ」


俺は案内してもらった。

店内に設置されたガラスケースの中にソフトがあった。

俺はソフトを確認すると下に書かれた値段が視界に入った。

値段は10万円だった。


「馬鹿な………」


俺は驚いた。

他のソフトの値段よりも何倍もの値段ではないか。

別に金など俺にとってはないものだ。

でも、たかがゲームソフトがそんな値段なわけがないと思った。


「どうしてこのソフトはこんなに高いんだ」


俺は店員に聞いた。


「お客さん。ニュースとか見ないんですか。
このゲームソフトは先日生産中止になったんです」

「生産中止………どうして」

「さぁ………」


店員は生産中止になったことしか知らないらしい。


「だからこのソフトにプレミアがついて、この値段なんです」

「そうか」


俺はしばらく考えた。


「買いますか」


俺の思考を閉ざすように店員が話しかけて来た。


「ああ」


そして、俺は『Infinite Information』を買った。