「そうかもしれない。
製造された試作品にもバグがなく、僕の会社は発売をした。
そして、大ヒットとなったが、その後クレームの荒らしだ。
『ゲームにバグがある』って皆、口をそろえて言う。
仕方なく、アップロードするためにソフトのシステムを見たときに気づいたんだ。
システムは書き換えられないものだってね」

「どうしてだ」


俺は気になり、聞いてみた。


「プログラムが特殊なんだ。
この世には存在しないプログラムで構築されていた。
さらにウィルスがあってソフトのデータを触るとソフトのデータが消える仕組みになっているんだ。
見たこともないプログラムを解析するなんて不可能な状態だったんだ。
僕は友人にアップロードをするように連絡したけど、友人は音信不通だしね」

「それで謝罪会見か」

「でも、そのおかげでうちの会社は有名になった。
謝罪会見後は、『名作』『才能開花で最も優れたゲーム』と言われるだけでなく、他のゲームソフトも売れてね。
だから、僕は『Infinite Information』の改良版を発売しなかったんだ。
未完成作品の方が話題を保てると思ってね」


俺はため息をした。

西条の話を聞けば、『G』が動くほどのことなのかを確認できると思っていた。

だが、西条を拉致するほどのことでもない。


「その友人はアンタになんか、言ってなかったか。
危険なゲームだとか」


西条は考え始めた。


「そういえば、『Infinite Information』のゲーム名の意味を尋ねた時に変な事言ってたな」

「どんなことなんだ」

「確か………
『真実を伝えるゲーム』だとか………
『世界からの出方』とか………」

「ほかには………」


俺は追求した。


「それぐらいかな。
覚えてるのは………」


俺は西条が話し終えてから、しばらく考えた。

もしかしたら、議長が拉致しようと思ったのは、ここにいる西条ではなく、西条の友人の方なのかも知らないと………