『W』は議長の予測通り、再結集した。

『W』二代目総長が指揮を行った。

『G』は監視した。

『W』に潜入する機会を待った。

この頃はまだ、世間では『W』という組織の認知度はなく、存在そのものは、『G』と関係者以外は知られていない。

『W』三代目総長が就任した頃から、状況は変わり始めた。

二つの勢力に分裂した。


一つが『穏健派』、もう一つが『過激派』だ。

三代目総長は就任後『W』の存在を世界に示したが、人々は無視をした結果だと予測される。

『G』の標的は『穏健派』だ。

今まで、監視を行っていた人物達が所属しているためだ。

『G』は『穏健派』に潜入を何度か試みたが、失敗に終わる。

それだけ『W』が固いのだ。

逆に、『過激派』には簡単に潜入が出来た。

調査でわかったことは、この勢力に所属する者達は国籍がバラバラで、どこにでもいる町のチンピラやマフィアの集合体だ。

『穏健派』の資金で活動する。傭兵のような存在だろう。

『G』に所属する部隊から見れば素人の集団だが、規模は『W』の方が上だ。

また、彼らの行動に規則性がない。

潜入部隊からの情報では『穏健派』との関係は資金援助以外何もない。

活動も国のクーデターからテロ活動と幅広く、『G』だけでは『W』の行動を防ぐことが出来ず、国際テロ組織として世界に知られた。

この状況になっても『G』は動かなかった。

辻本ユウジとその関係者、すなわち『G』の裏切り者を捕獲するまでは『W』を潰さないと議会が決めているためだ。

だが、その存在は現時点では確認されていない。