「俺が現実世界に行ったら、全てを話す。約束だ」


俺は右手を握り、山本の方へ伸ばした。

俺のことは仮想世界では話すことができなかった。

下手をすれば、計画が台無しになるからだった。


「わかった」


山本も同様に右手を拳にして、俺の方へ伸ばした。

二人が互いの拳をぶつけた。

男同士の約束をした。





山本と約束をした後、列を見ると俺の監視場所に人がいなくなった。

俺は座っていた椅子を畳み、山本と一緒に休憩所に移動した。