―――30分後

雨は止み、曇り空になった。

俺は集合場所に向かった。

その場所には、死体の処理を終えた相棒が待っていた。

相棒は不満の表情をしていた。

無理もない話だ。

俺は何も言わずに相棒の隣に座った。


「最近のお前は頼りにならない」


相棒は静かに話し始めた。


「仕事場に来るが、やる気がない。
今のお前は邪魔者以外、何の価値もないな」

「………」

「この1ヵ月で任務を3回行った。
全てにおいてお前は仕事をしない。
やる気あるのか」


相棒の説教は更に続いた。

だが、俺は無視し続けた。


「―――だからな………」


俺は相棒の話している最中に立ちあがり、荷物を持った。


「おい………」


相棒は俺にまだ、話し足りないのだろう。

だが、今の俺は相棒の話を聞きたくなかった。

俺は相棒を置いて帰ろうとした。


「ウルフ。そこを動くな」


相棒の声が任務の通信機から聞こえる声になった。

俺は今、相棒に背を向けている。

でも、相棒が後ろで何をしているのかは理解できる。

相棒は俺に銃を向けているだろう。


「今のお前は組織にとって邪魔な存在だ」

「………」

「仕事ができない者は消えろ」


俺は目を閉じた。

こんなことをしていれば、いずれ殺されることは分かっていた。

覚悟はしていた。

今の俺には頭を冷やす時間が必要だと。

だが………