―――2週間後

俺は愛人の部屋にいた。

あれから任務を行っていない。

マオを抱く日々が続いた。

俺はベッドの上で横になっていた。

隣にはマオがいる。


「ねえ、私………
欲しい物があるの」


マオは俺に言った。


「この度はなんだ。
バックか。それとも宝石か」


俺はマオに答えた。

今まで、欲しい物は何でも買った。

部屋にはマオの欲しい物で満ち溢れている。


「………あなた」


マオは照れくさそうに言った。


「………」


俺は答えなかった。


「ねぇ、聞いてる」

「ああ」

「お願い」


マオは強請るが、俺には迷惑だった。

俺はベッドから起き上がった。

マオも同じように起きあがった。


「今までの関係じゃ………ダメか」


俺はあきらめるように説得しようとした。


「私ね。
たまに怖くなるの。
いずれ、あなたが私の傍から居なくなるんじゃないかって」

「………」

「あなたと会うまでは世界は私を中心に廻ってると思ってた。
でも、今は違う。
世界はあなたを中心に廻ってる」

「………」

「もう、あなた無しでは生きていけない」


マオは俺に抱きついた。


「お願い」


マオは小声で言った。

俺はマオの髪を撫でながら言った。


「すまない」


マオの締め付ける腕が強くなり、泣く声が聞こえた。

俺はマオの泣く姿が耐えきれず、再び抱き始めた。