そもそも、山本は『Infinite Information』をしたくて『C』に入ったのだ。

結果として、完全クリア―したことになる。

山本はゲームを終えることが目的であって、世界を変えることなど考えていない。

山本はポケットから煙草を出し、煙草に火を点けた。


「俺も行くことに決めた」


山本は決心したのだろう。


「いいのか」


俺は確認をいた。


「俺の夢は終わったんだ。
そろそろ別の夢でも追い掛けようと思う」


それはいつまでも子供の夢を見続ける少年から、現実を見つめようとする大人へ成長する姿だったのかもしれない。


「ありがとう。彼女と一緒に行くのか」


山本はある日を境にNO.2と共に行動することが多くなった。

一緒に現実世界へ調査しに行ったりしている。


「アイツも一緒に行くってさ。
面倒だが、好かれちまったもんはしょうがないだろ」

「幸せになりよ」


俺はお祝いの言葉を言った。


「そうかぃ。
一応、ありがとう」


照れくさそうに笑った。

俺は係員の仕事をしながら、山本と思い出話をしていた。


「そういえば、同窓会の時のこと、覚えているか」

「ああ」


あの日は久しぶりに酔った。


「現実世界に行ったら、俺達に話してくれよ」

「ああ」


山本の言いたいことは分かっている。

俺がどうして『C』を立ち上げたのか。

どうして『C』のメンバー(ミコト、アカネ、山本、ナナミ)を集められたのかを聞きたいのだろう。