「それで明日からはどうするんだ」


俺は彼女に聞いた。


「………未定よ」

「俺としばらく遠くの方へ行かないか」


俺は彼女を誘った。


「結構よ」


女は即答で答えた。


「そうか」


俺は次の手を考えていると女は俺の方を見た。


「私を誘うなら、このホテルのスイートルームを一週間借りれるぐらいの男じゃないと………」


女は冗談で言ったのだろう。

だが、相手が悪い。


「そんなことでいいのか」


俺は彼女に聞き返した。


女は頷いた。


「マスター」


俺は受付と連絡を取るように指示した。


『お電話、ありがとうございます。こちらーーー』

「今、スイートルームは空いてるか」


俺は受付の話を無視して話した。


『はい、空いております』

「これから一週間借りれるか」

『はい、可能です。
ただ、確認のため一度受付までお越しください』

「今、23階のバーにいるからここまで来い」

『申し訳ありませんが、規則ですので………』

「倍払うと言ったら」


俺はこの場を離れたくなかった。


『………かしこまりました。
係りの者が向かいますのでお待ちください』


俺はマスターから借りた受話器を置いた。

マスターに礼を言い、女の方を見た。


「あなた………」


女は驚いているようだ。


「そういえば、君の名前を聞いてなかった。
俺は『タツ』。
君は………」

「………『マオ』」


俺は彼女の名前を聞いた後、ウィスキーを飲んだ。