「これから、この世界は混迷の闇へ向かう。
それは決して良い方向にはならない。
今現在は皆が納得して、この世界で生きているが………
それは現在生きている人間達までだ」

「そうだな。
現在が第一世代として、第二、第三世代が生まれた時、世界の見方が変わる」

「新たな『W』や『C』が生まれる。
お前はどうするんだ」

「考えがある。
もともと、金本はそのことを言うために『仮想世界から現実世界へ戻れる人間は限られている』ことを問題にしていた」


俺が言うと、相棒は俺を見た。


「それで、その考えとはなんだ」


俺は自分の心臓を指差して言った。


「魂の器は人間とはかぎらない」