アイドが言うと、俺はアイドを睨んだ。


「俺は『SO:キャンセル』を作らせるために『ドライブシステム』を作らせようとした。
正直、簡単に作れる物だと考えていた。
理論の一部は知っていたし、『エレクトロニクス社』は『キャンセラー』を製造していた。
だが、いざ話を聞いてみると、装置がどうやって『キャンセラー』を作っているのか。
なぜ『超粒子磁石』で『無』空間を作っているのかが理解できないと言われた」

「『キャンセル』………」

「『キャンセラー』を応用したものだ。
『キャンセラー』を付けずに無能力者に出来る装置を開発すれば『Cの世界』が完成するまでに起こると思われる混乱を最小限で防げると考えていた。
もちろん、『C』のメンバーには『Cの世界』が『現実世界へ戻る』ことと教えていないため、極秘に進めていたことだったが………
お前らが『『C』のメンバー殺害計画』なんてものを起こしてくれたことで、いらないところにまで技術を使うことになった。
その一つが『GDS-01A:ギア』だ」

「『ギア』ってたしか………」

「アカネが付けている装備だ。
お前らが暗殺計画を実行した時、『エレクトロニクス社』は『超粒子磁石』の粒子変換の性質を変えることに成功していた。
つまり、『超粒子磁石』が解明されたという意味だ。
アカネは更に強くなろうとしていた。
俺はアカネに死なれると困る。
利害の一致で仕方なく、極秘の技術をアカネに渡しが………
そこからが面倒なことになった」


俺はアイドを見た。


「お前、あの『ギア』に『能力』が何個使われていると思う」


しばらく、アイドは考えてから答えた。


「1個でしょ」

「14個だ」


アイドは目を大きく見開いた。
きっと驚いているのだろう。