正直、俺は『超越者』が怖いと感じている。
『W』と共に世界を変え、『勇者』の旅を守る存在。
『W』五代目総長よりも、強い存在。
俺はこの子を誕生させて良かったのだろうか。


だが、これは始まりだ。


「『新たな命:ミコト』はどうでしょう」


俺は考えた末、神山博士に言った。


「『柴田ミコト』か」

「いいえ。
この子を預かって頂く間は『神山ミコト』でお願いします」

「そう。
まぁ、その方が面倒事にならなくていいかもしれないね」


そう言うと、神山博士はソファーに戻って行った。
俺は神山博士の背中を見つめた後、再び卵を見た。