俺は神山博士の言っている意味がわからない。
そんな技術が本当に実現できるのか。
誰だって理想は言える。
だが、実現させることは、想像以上に難しい。


「んっ………疑っているね」


神山博士は俺の表情から疑っていることに気づいた。


「いえ。
でも、あまり実感がなくて………」

「そう。
まぁ、最初は誰だってそんな顔する」

「はぁ………」


俺は戸惑いながらも答えた。


「人間の能力には五つの系統がある。
肉体強化系・間接系・回復系・空間系・具現化系。
それらの系統を制御して、人間の『才能』として『能力』を扱う事が出来る。
それは世界の生活システムを基盤となっている。
例えば、『電気』系能力者は電力に変換させ、町に明かりを………
『強化』系能力者なら力仕事をして、建物や要人の護衛などを行う」

「そうですね」


俺は頷いた。


「なぜ、人間が粒子を制御できるのか。
それは『進化』・『脳信号』・『血』のキーワードから説明できる。
空気中に浮かぶ粒子は『選択の石』から出たもの。
これを（―）とする。
人間から生成される粒子を（＋）とする。
（＋）（―）が繋がった時、回線ができて能力値となる。
このことを『粒子結合の法則』という」

「はぁ………」


俺は戸惑いながらも答えた。


「（＋）と（―）による回線が繋がることで、能力値はできる。
つまり、能力が使える状態となる。
では、なぜ人によって能力が違うのか。
それは『人間の粒子（＋）』と『選択の石（―）』の粒子の割合、さらに体内で粒子を蓄える場所が異なるためだ。
これらの割合は（＋）の割合順に、
強化系＜間接系＝回復系＜空間系＜具現化系となる。
では、（＝）とは何か。
それは変換された粒子が能力となった場合、粒子が人間の粒子（+）側に近いか。
そういう意味を差している」

「………難しい話ですね」