俺は考えた。

任務は『辻本ユウジの暗殺』だ。

だが、こいつはもしかしたら俺達と同じ『G』側の人間なのかもしれない。

つまり、俺達の裏切り者の可能性がある。

ここで殺しても俺達同様に甦る。

俺が考え事をしていると、辻本が話しかけてきた。


「彼女には危害を加えないでほしい」


辻本は秘書を生かすように言いだした。

秘書には何の価値もない。

俺達の目的は辻本ユウジだ。

だが、そんなことはどうでもいい。

辻本を殺してから考えればいいことだ。

辻本は秘書を見た。


「ナツキさん。後はまかせた」


秘書が頷いた。

辻本が秘書と話し終えた瞬間………


バンッ………


銃声音が周囲に響いた。

俺の視界には辻本の頭から血が飛び散る姿が映った。