「さらなる冒険………」

「そして、『勇者』に『Xファイル』を探すと同時に、この世界を一度見てもらいたかった。
この世界の姿を………
そして、『Xファイル』を見つけ、私と出会った時、私は『勇者』に聞く。
『君はこの世界から出たいか』と………」

「聞いてどうなる。
ただの人間だろ」


俺は金本に言った。


「そこが重要なんだ。
君は言った。
この世界から出たいと………
だが、君一人のために扉を開けるわけにはいかない。
扉を開ければ、この仮想世界は崩れる。
なぜなら、仮想世界の住人は現実世界への準備ができていないためだ」

「準備だと………」

「我々はこの世界の管理者だ。
我々は管理する立場にいる。
決して、この世界を動かすことは許されない。
我々の判断で人々を現実世界へ送ったところで、死ぬだけだ」

「バカバカしいな。
そういうことを言うなら、まず『G』を潰すべきだ。
あれこそ、この世界を動かす組織じゃないか」

「いいや。彼らはあれでいい。
結果として、世界を管理している」


確かに金本の意見は正論だ。


「『Xファイル』を探し求めた『勇者』は『世界の真実』を聞き、人類を『現実世界へ戻す』か、それとも『仮想世界に居続ける』かを選んでもらう。
なぜなら、この世界を旅した『勇者』は、この世界の代表として選ぶ権利があるからだ」