―――公園のベンチ
俺と金本は公園のベンチに座った。


「さて、何から話そうか」

「貴方は一体何者なんだ」


俺は金本に聞いたが、金本は返事を返さなかった。
しばらくすると、先程紙芝居を聞いていた子供達が金本の方へやってきた。


「どうしたんだぃ」


金本は子供達に聞いた。


「おじさん。ありがとう。
絶対クリアーするね」


子供が金本に御礼を言った。
俺は子供の後ろに立つ大人を見た。
子供の母親なのだろう。
深深とお辞儀した。


「頑張りたまえ。
君達なら必ずクリアー出来る」


金本は子供達に言った。


「うん」


子供達はそう言うと、公園を去って行った。


「子供が好きなのか」


俺は金本に聞いた。


「いいや。
ただ、あの子たちには可能性がある」

「可能性か………
俺にはよくわからないな」


金本はしばらく、黙ってから俺に聞いてきた。


「私の事を話す前に、君の知っていることを話してくれないか」

「ああ」


俺は『辻本ユウジの暗殺』から今までのことを全て話した。


『辻本ユウジの暗殺』
『西条ヨウの拉致』
『Infinite Information』
『相棒の協力』
『バケモノ退治』



「―――そして、今に至るわけだ」


俺は全てを話し終えた。
金本は何も言わず、また黙り込んだ。


「君に二つほど質問してもいいか」

「ああ」

「まず、君にとって『W』とはなんだ」

「世界を成長させるために『G』と戦う集団だ」

「それでは、『Infinite Information』とは」

「貴方が用意した『世界へのメッセージ』を伝えるためのものだ」


俺は金本に答えると、金本はため息をついた。


「どうした…………」


俺は金本に聞いた。


「本当にそう考えているのか」

「ああ」


俺は正直に答えた。
金本は頭を掻きながら言った。


「あまり、私を失望させないでくれ」