「それからというもの、『Infinite Information』を調べる内に『W』が関与しているという記事を見つけて………
そこから、『W』に興味があって、個人的に調べているわけです。
あっ………調べてるっていうのは、本やインターネットからの情報です。『W』に加わりたい、などとは考えていないので………」


「はい」


俺は返事をして、話の続きを聞こうとした。


「最近知った話なんですけど、当時は10万円したソフトも今は、3千円ほどの金額です。
私はなぜだろう。
そう思い調べてみると、私と同じような人がゲームソフトを売ったためです。
たぶん、私達以外にも、貰った人はいると思います。
だって、10万円のソフトが3千円ですよ。
かなりの数のソフトを配ったと思います」


俺は書くのを止めた。
アユミが話さなくなったからだ。


「これぐらいしか、話すことがないんですが、いいでしょうか」

アユミは貰った金額分の仕事が出来たか、そんな顔をしている。


「はい。なかなか興味深い話でした」

「そうですか」

ナオミは笑みを浮かべた。


「私から、いくつか質問しても宜しいでしょうか」

「あっ………はい」


アユミはコーヒーの入ったコップに手を伸ばそうとしたらしく、返事を返すのが遅れた。


「紙芝居を読んでいた人は何歳ぐらいでした。
それと何年前の話でしょうか」

「確か………
20代前半だと思います。
すみません、記憶があいまいで………
会ったのは今から30年程前だと思います」

「そうですか」


俺はメモを取った。


「その紙芝居を読む、男の人の特徴は何かありませんか」

「………特にないです」

「なんでもいいんです。
着ていた衣類でも、なんでも………」

「そうですね~………
麦わら帽子を被っていたような」

「麦わら帽子ですか」

「はい。
丁度、今のような時期だったと思います。
夏で日差しが強い日だったので………」


俺は地図を出した。
世界地図の書かれた本は分厚く、詳細に情報を示されている。


「その公園の場所はどこですか」