―――飲み屋
俺と相棒が飲み屋に入ると、店員が一人近づいてきた。


「お客様。
ご案内する前に年齢確認できる身分証明書をご提示ください」


店員はマニュアル通りの応対をした。


「俺達は未成年だ」


相棒は店員に言った。


「未成年のアルコールは禁止されています。
宜しいですか」

「そのつもりだ」

「わかりました。
それでは案内させて頂きます。
二名様―――」


店員は大声で他の店員に伝えた。
俺と相棒は席を案内され、指定された場所に座った。


「ご注文は………」

「ウーロン茶を二つ。以上だ」


俺の意見も聞かず、相棒は注文した。


「はい。ウーロン茶を二つですね」


相棒は頷くと、店員は調理場に戻った。
俺は手吹きで手を拭いた。
互いに、話すきっかけを探していた。
俺と相棒が顔を合わせるとは18年ぶりだ。
問題は時間ではない。
前世に受けた傷が大きすぎたためだ。


「失礼します。ご注文のウーロン茶です」


店員がウーロン茶を持ってやってきた。
俺と相棒の前に置いた。


「以上で宜しいですか」

「ああ」


俺が答えると、店員は去っていた。


「とりあえず、会えたことに乾杯だ」


俺はグラスを掲げた。


「そうだな」


相棒もグラスを掲げた。


「乾杯」


俺はウーロン茶を一気飲みした。
俺が飲み終わると、唐突に相棒が話し始めた。


「まずは、お前に謝る。
すまなかった」


相棒は頭を下げた。


「いいんだ。
どうせ、いずれは死ぬ命………
それが少し早まっただけだ」

「そうか。それならいい」


相棒は頭を上げた。


「お前はどうなんだ。
『G』の立場としては………」