「旧『W』本部だ。
正確には『ヘブン』国内の地下施設だ。
そもそも、国際テロ組織が基地を造る事態、おかしな話だ。
あれは基地じゃない。
一種の『檻』だ。
そこで親父さんは訓練を受けた。
自分の能力を制御できるように………
長い年月の末、手に入れた強靱な精神を持ち、拡大しすぎた『W』をまとめるため、『W』四代目総長の養子となり、次の代を引き継いだ。
『G』は、親父さんが『W』五代目総長を継いだことで初めて『G』はその存在を確認することが出来た」

「なるほどね………」


アイドは俺の話を聞いて納得しているようだ。


「君は………」

「話は聞いていたが、出会ったのは『C』で活動した時だ」


しばらく、沈黙が続いた。


「結局、どうやって修正したの」


アイドが唐突に聞いてきた。


「簡単なことだ。
当初予定していたアカネの役割、
『CROWN』………
つまり『W』の総長を継いでもらい『ヘブン』の『女王』にするはずだったが……
親父さんがいることで、アカネの役割を分担することにした。
親父さんを『ヘブン』の『王』、アカネを『ヘブン』の『将軍』。
もともと、アカネに『W』を継がせることが目的だったから、『計画』に支障がなかった。
だが、またしても問題が起きてな………」


「………続くね。問題が………」