「お前は知らないだろうが、『C』結成時に『R』という組織が現れたんだ。
俺の計画では予定にない存在だ。
結局『R』は『W』の『穏健派』の一部で結成されたものだったが………
奴らは『C』のメンバーの一人、『白崎ナナミ』を誘拐した。
俺は『W』が『C』に接触してくると考えていた。
その場合、俺かミコトのどちらかと接触するはずだ。
だが、予想は外れた」

「なんで、君か『神山ミコト』だと予想したんだ」

「俺は『C』のリーダー。
ミコトは『超越者』だからだ。
アカネはもともと『W』側の人間だ。
残りの山本とナナミは『W』を拉致する意味がない。
それに当時、ナナミは『無能者』だと思っていた」

「どうして………」


アイドの興味津津に聞いていた。


「学生の能力データは全て教育機関が管理している。
白崎ナナミのデータ―は『無能者』指定されていた」

「それじゃあ、なんで『C』に入れたの」

「ナナミの役割は『CONDUCT』………
つまり、『神山ミコト』を『導く』存在として『C』に入れた。
ミコトは『超越者』だ。
だが、ミコト自身をコントロールできなければ、意味がない。ナナミは『C』とミコトを繋げる『鎖』の役割と考えていた」

「実際はどうだったの。
彼女は君達『C』の中心的人物のように扱っているけど」

「俺の調べ不足だった。
ナナミは『無能者』だが、未来を予測できる能力者だった。
『W』はナナミの能力を使い、『くだらない計画』を立てた。
俺はそのことを知らず、『C』のリーダーとしてナナミを取り戻すために『W』五代目総長と戦った」

「結果はどうだったの」

「俺は奴の弱点を知っている。
それに俺の能力は『電撃』だ。
1秒あれば、奴を殺せる。
だが、そこで問題が起きたんだ。
奴は『キャンセラー』を装備していたんだ。
あんな装備、神山博士から聞いてない」