俺は一瞬だが、バケモノの顔を見ることが出来た。

まだ、幼い。
容姿だけなら、ただの子供だろう。
だが、騙されてはいけない。
こんな小さな身体の持ち主に何人もの大人が殺されたのだ。

次第に、拘束具の鎖が張っていく。

『B2M2』が飛び立ち、数分後には海へ行く。
そして爆発………
バケモノは海で力尽きて死ぬ。
計画は完璧だった。


だが………


鎖が張り、バケモノを地面から空中に浮くはずなのに浮かない。
俺は打ち上げられた『B2M2』を見ると、宙で止まっている。


「馬鹿な………」


まさか『B2M2』の火力に負けない力で耐えているのか。




やがて、鎖は切れ、『B2M2』は遠くの方へ飛び立った。

俺の視界には、いるはずのないバケモノが映っていた。