―――二日後
相棒の連絡で、作戦日時と場所、約束の金の引き渡しを行った。
作戦は三日後の0000時に行う。
場所は井上研究所から30キロ離れた場所で行われる。
どうやら、バケモノは『ヘブン』国内の山奥で見を隠しているらしい。
『G』の管理部が子供を監視しているために、バケモノの所在は元から分かっていた。
俺は相棒から3億円を受け取り、金を隠した。
後は、予定通りに作戦をこなし、『G』本部を襲撃するだけだ。




―――作戦当日
俺はナイフをポケットに仕舞い、相棒を待った。
相棒は時間通りに来た。
俺一人でも現場に向かっても良かったが、『G』の戦闘隊員と会うには相棒の仲介が必要なためだと言われた。
作戦前からトラブルはなるべき避けたい相棒の思惑だろう。
俺が現場に着くと、『G』の隊員は20名いた。
俺と相棒を含めて、『A1』以外の部隊がいる。


「紹介する。
この男が今回、作戦の要である『A3』だ」


相棒は仲間に俺を紹介した。
隊員達は俺に興味が無いような、仕草をした。
俺は別に気にしなかった。
俺自身もこいつらと仲間意識を高めようなどとは考えていない。


「『A4』、指示した『B2M2』はどこにある」


俺は相棒に聞いた。


「こっちだ」


相棒は俺を案内した。

案内された先に、大きなトラックが一台あった。

「この中に、『B2M2』が入っている。
作戦が開始される前に、トラックの蓋を開ければいい」


相棒はトラックに乗り込み、操作した。

しばらくすると、トラックの蓋が開き、中から『B2M2』が現れた。


「大きいな」


俺は率直な感想を述べた。

『B2M2』の横に置かれた大きな手錠が視界に入った。


「これは………」

「指示された拘束具だ。
標的の腰にぶつければいい。
これを外すのは至難の業だ」


俺は相棒の説明を聞きながら、拘束具を持った。


「重いな」

「頑丈な素材で造った物だ」


拘束具の片方に付けられた鎖を見た。


「鎖の長さは約500メートルだ」

「了解」


俺は返事をした。