―――3日後
俺はTVの特番を見ていた。
『デレーブ』国内で多才能力者が世間に公開される日に、多才能力者が脱走したニュースが流れていた。
このため、警察や報道陣は子供達を探している。
翌日のニュースでは『ネクス』の多才能力者が脱走をした。
今回の事件は何者かの手引きで逃げたと考えられる。
世間のニュースは多才能力者を中心とされた。
唯一、違うニュースは井上研究所が火事になったことだ。
研究施設は全焼したため、施設より半径20キロ地点への立ち入り禁止を義務づけた。
これは科学薬品が空気に汚染しているためだと報道している。




―――夕方
新聞を読んでいると、通信機が鳴った。


「もしもし………」

『こちらホークだ。ウルフか』


相棒からの連絡だった。


「ああ。久しぶりだな」


俺と相棒の連絡は3日ぶりだった。

予定の0100時に連絡をしても相棒が通信に出なかったからだ。


「どうした。こんな時間に」

『少し話がしたい』

「話か。何の話だ」

『………会ってから話す』


3日前のことから考えて、特例任務は失敗したのだろう。


「断る」


俺は面倒事に巻き込まれたくなかった。


『お前を動かすだけの条件を用意した』

「ほぅ………それはなんだ」

『それも会ってから話す』

「それじゃあ、交渉決裂だ。
通信を切るぞ」


相棒の用意した条件など元から期待などしていない。

そもそも、俺自身がバケモノと関わりたくないのだから………


『待て。条件はお前を議長に紹介することだ』