相棒は小さく頷いた。


「これはこの世界の問題だ。
お前が『G』と縁を切ったところで、管理側の人間だ。
責任を持つべきだ」


相棒は俺に言った。


「責任か………」

「そうだ。子供を野放しにすれば、世界は混迷の闇へ向かう。
そうならないために………」


相棒の話には一理ある。
今は関係のない状態だ。
しかし、10年後、あるいは20年後に俺自身の問題へと変わるだろう。
だが………


「俺は管理側として責任を果たしている」

「それはお前自身の問題だ」

「俺達自身の問題だ。
それに利害の一致がない。
俺がバケモノと戦ったとして、俺に何の得がある」

「それは………」

相棒は考えている。

相棒の出す条件は世界の敵であり、今後の計画で邪魔となる子供を早い段階で始末できることだ。
だが、なぜ俺が『G』と協力しなければならない。


「貴重な情報には感謝する。
だが、履き違えるな。
俺とお前は目的が同じであっても、価値感が違う。
俺はこの世界など、どうでもいいと思っている。
もし、俺を使いたいのなら、俺を動かせるだけの条件を持ってこい」


俺は相棒に背中を向け、その場を立ち去った。




―――『ヘブン』国内ホテル
相棒と別れた後、俺は泊まる宿を探した。
捜している最中にコンビニで安いウィスキーと食事を買い、店員に宿を聞いた。
店員は一般のビジネスホテルがあると言ったので、そこに向かった。
店員の言った通り、ホテルは空いている。
俺は部屋に入ると、服を脱いた。
その後、個室のシャワーを浴びたあと、TVを付けた。


この半年間、井上研究所の警固をした関係で、外部の情報を遮断されていた。
そのため、世間で何が起きているのかが分からない状況だ。
今後のためにも情報を集めることが重要だった。
TVのニュースを見ていると、どのチャンネルも特番をやっていた。
時計を見ると、朝の0530時だ。
昨日のニュースを振り返っているのだろう。