「………無駄とは」

「考えてみろ。
『G』の反乱分子は俺達だけではない。
この国全てが敵だ」

「君にはできるの」


男は興味を示した。


「お前が俺達を生かせばな」


男は黒い刀を消した。


「正直、君さえいなければ仕事を一掃できると思えた。
だが、そうもいかないらしいね」

「ああ」

「いつ頃までにできる」


男は聞いてきた。


「20年待て」


俺でもわからないことを聞かれたのだ。

適当に長期を言った。


「ダメだ。5年待つ。それ以上は許さない」

「5年………短すぎる」

「なら、頑張ればいい」


男は簡単なことのように話すが、容易いことではない。


「それまで、俺達は手を出さない」


男が出した条件は最悪だ。

だが、今の状況、さらに『G』を考えればこれがベストなのかもしれない。


「わかった」


俺は了承した。


「約束だ」


男は立ち去ろうとした。

俺は男に尋ねた。


「お前の名前は」


男は頭を掻きながら答えた。


「アイド」