―――現在
俺はアイドに案内してもらい、ホークのいる場所へ向かっていた。

その際、俺は昔のことを思い出していた。

ホークはこの世界に残り、俺はこの世界から出てホークの設定を変える。

それで約束は達成される。

ただ、会いたかった。そして、別れを言いたい。




アイドは俺の方を見た。


「君、ウルフだろ」


アイドが突然、話してきた。


「君の友達について少し調べたんだ。
彼が死ぬときに言った『ウルフ』って言葉が気になってね」


アイドは頭を掻きだした。


「そうか。それでどんな情報が出てきた」

「『G』議長隠密部隊。本当に前任者だった」

「嘘じゃなかっただろ」

「まぁ、いいけど。でも不思議だね。
隠密部隊に所属していたのに『C』では戦った報告が一切ない。
君の力なら、わざわざ後方で動かなくても、いいと思うけど」

アイドは頭を掻くのを止めた。

「死ぬのが怖かったの」

「いいや」

「じゃあ、どうして」


俺はため息をした。


「お前は限界を感じたことがあるか」

「限界か。今は無いね」

「能力者同士の戦いは戦闘経験や能力、情報と様々なものをより多く持つ者が勝つんだ」

「要するに、俺達や『神山ミコト』が怖かったわけか」


アイドは笑った。


「いいや。お前達に会う前からそのことに気づいたんだ」

「面白いことを言うね。誰だぃ。
そのことを教えたのは」

「『W』五代目総長辻本タツロウだ」