「仲間………
意味が分からないな」


ホークは銃を強く握りしめた。


「お前と別れてから色々とあったんだ。
その結果、『G』から追われる身となった」

「………」

「少し、俺の話を聞いてくれないか」


ホークはしばらく、俺を見つめた。


「ありがとう」


俺を撃たないということは、話を聞く意思表示だろう。

俺は屋上を見渡すと、ベンチが一つ置かれていた。

俺はベンチに向かい、座った。

ホークは銃の照準を俺に向けている。




その後、俺は今までの事を全て話した。
『辻本ユウジの暗殺』
『愛人:マオ』
『西条ヨウの拉致』
『Infinite Information』
『議長』
『五十嵐シロウの夢』
『無能力者のための能力開発』
『世界へのメッセージ』
………




1時間程話したが、ホークは照準を向けたまま、頷くことは無かった。


「―――以上が俺の調べたことだ」


俺は今まで溜めていた想いを人に伝えたことで、ある程度の満足感を得た。


「ウルフ、話したいことはそれだけか」

「ああ」

「………世界へのメッセージか」


ホークは笑みを浮かべた。

そして、引き金を引いた。

銃声音が辺りに響いたが、俺には当たっていない。


「俺を馬鹿にしているのか」

「落ち着け。
だが、事実なんだ。
今はまだ、解読できていないが『Infinite Information』には確かにメッセージらしきものが入っている」

「それはお前が偽造した物だろ」

「違う。
それにこの動画が偽造なら、俺はもっと早く行動している」

俺は動画の入ったメモリーをホークに見せた。