俺はリーダーを見た。


「貴方の目的は五十嵐の護衛だ」


リーダーは右手を抑え、部下達を見ていた。


「これ以上、俺に関わりたいのなら相手をしてやる」


俺はナイフをリーダーに向けた。


「………結構だ」


リーダーは部下に指示を出し、地面に転がった部下達を連れて、警察本部へ戻って行った。

俺は彼らの後ろ姿を眺めた。

その中には13年間一緒に生活した五十嵐と仕事仲間の支援者達の疲れ切った姿が目に入った。

彼らが見えなくなった後、俺もその場を離れた。




―――ビル屋上
俺は目的の場所に着いた。

ビルの屋上の扉を開けると男が一人、銃を構えていた。


「よう」


俺は両手を挙げた。

「確認する。
お前がさっき連絡してきた『ウルフ』か」

「ああ」

「武器は………」

「ナイフを一本持っている。
なんなら捨てようか」

「そうしろ」


俺は血の付いたナイフを地面に捨て、ホークの方に蹴った。


「これでいいか」


ホークはナイフを拾い上げた。


「………俺に何の用だ」


銃を構えながら、ホークは尋ねてきた。

俺は笑みを浮かべながら言った。


「俺の仲間にならないか」