「……なに」


廉の腕があたしに絡んで足が止まる。


「なんで俺の方見ないわけ?」


廉はどこか楽しげで、あたしはますます不愉快になる。


なんで?


そんな事、あたしが聞きたい。


嘘、聞かなくていい。



知ってるから。