急いで玄関に向かうと、帰って来たばかりの親父と、実和がいた。


「実和も一緒だったのか…?」


実和は頷くと、オレから視線を反らした。


「勇人、ちょっと話しがあるから来い」


親父のいつになく険しい表情に、オレは黙ってついて行った。


「ちょっと座れ」


親父に言われるがまま、向かい合って座る。


「なあ、勇人。お前の彼女、何かなかったか?」


「えっ?」


何で、そんな事を親父が聞くんだよ。


親父じゃないのかよ。


美優を襲ったのは。


「襲われた…。あいつは無事だったけど、あいつの知り合いが重傷だ」


そう言うと、親父は深いため息をついた。


「なあ、勇人。彼女を襲ったのは、実和ちゃんの組の手下の奴だ」