休み時間。
今終わった授業の教科書を片付けていると、仲の良いヤツが駆け寄って来た。


「おいっ、優仁(ゆうじん)、明日のお前と証明(しょうめい)の誕生日パーティ…証明んちに集まることになったってマジか?」


「ぁん?マジだよ。なに、美森(みもり)今ごろ知ったんだ?結構前から決めてたんだけど。仲間はずれ〜」


最後の方は厭味っぽく言ってやった。
この美森って男はからかうと面白いんだ。






…明日、ようやく僕は12歳を迎える。


12歳、小学校六年生。
来年度からは中学生。


そう考えると、12歳ってかなり特別な年齢なんじゃないだろうか。
学校自体が変わるのだ。

それだけで、ちょっとは大人に近付いていく気がする。


正直な話、僕は今の自分を傍観視している節がある。


―ガキの遊びに飽き飽きしているんだろう?


と。


子供で居ることに、違和感がある自分という存在が。
何処か、に。