お母さんはこっちを向いた。 でも僕が見たかった顔じゃなかった。 「あぁぁぁぁ」 泣き顔だった。 お母さんは僕に抱きついた。 「お母さん?」 「ごめん…健太、ごめんね…あぁぁぁぁぁ」 お母さんは何故かそう言ってしょっぱい涙を流してた。 大きいと思っていたお母さんが小さく見えた。 おじいさんが、「大丈夫だよ」って言って、優しい笑顔でいうから なんだか僕まで泣きたくなって 「うわぁぁぁん」 お母さんと一緒にしょっぱい涙をこぼしてた。