一人の部屋で、ぼーっとしていた。 険悪な雰囲気がまだ部屋の中に 充満してるみたいだったから、 窓を開けた。 春の匂いがする風が舞い込んできた。 『ん。春っぽい味がする!』 ふわっとあたしの声がした。 『春っぽい…って詩人だねぇ』 大の声。 『マジでか!』 『春っぽい味…うーん…』 『やめてよ、リピートすんの!』 『ちょっと、大!弥生いじめたら許さないからね!』 優依の声。 『いじめてないしっ!』 そして。