君に嘘を捧げよう


「…ちょっとさあ、アヤネちゃん教室帰っててーな」

「?」

カイはそういうと俺をアヤネが見えないところまで連れて行った。

「カイ…?」

「俺はなあ、アヤネちゃんが好きになってしもた」

「やっぱり…!」

「小学校の時からの友人や。そんくらいはわかっとったか」

カイは壁を力まかせにたたいた。

「でもなあ、いくら友人だからって嘘ついてアヤネちゃんに好いてもらってんのはムカつくんや!」

「……!」

嘘。

それはわかってる。

けど、なんかショックだった。

「あんなかわい子お前にはもったいないわ」