野良夜行


「ごめんなさい。聞く気はないんだけど、お兄ちゃんの考えてる言葉が流れてきて……」

「君も妖怪なの?」


俺の問いにゆっくりと、小さく頷いた。
少し怯えられてはいるが、根は素直で良い子なんだな。

「サトリ。心が読めちゃう妖怪。だから人が嫌い……」


おそらく、人の心はうるさいのだろう。
欲望、野望、願望……。
人は望みを欲する生き物。

きっと、この子も辛い思いをしたのだろう。
怯えた瞳が、それを告げている。


「ゆかちゃんって、俺も呼んでいいかな?」

もっと、この子の側に居てやりたい。
怯えた心を開放してやりたい。

なんだか、そう思っていた。


これもまた、ゆっくりと、小さく頷いてくれた。


「少年。俺の事はQ―― 」
「龍だった奴は、なんて言うんだ?」


「やれやれ、そんなに焦らすなよ。照れ屋さん♥」

めんどくさいだけだ。