家に帰ってきて、遊湖からのプレゼントを開ける。 「あ、可愛い。」 小さなダイヤが光るネックレス。 ―明日、伶と会う時につけていこうかな。 ……ネックレスをつけて鏡をみていて、ふと左手の薬指に視線を落とす。 この十四年間私の指に、伶から貰った指輪が光ることはなかった。 『指輪は、重いから。清佳を縛りつけてる気分になるからやだ。』 付き合って一年がたったころ、指輪が欲しいと伶に言ったら、そう返された。