姉さまは結局その日帰ってこなかった



本当に絵梨花の所に泊まったようだけれど、私は思う



姉さまはとても優秀な人間ではあるけれども絵梨花の危険さはそれを飲み込んでしまうかもしれないことくらい分かっていた


私に宣戦布告をした彼女は何でもやりかねない目をしていたのだから



姉さまが壊されてしまう…



私は心底心配した、ふりをした




本当に心配だったなら電話してでも家に押しかけてでも姉さまに会いに行くべきだったのだ





…姉さまはやっぱり私の唯一の姉なのだから





でも私は行かなかった



ありあわせの食材で適当に夕食を作って、一人で洗って、宿題をして、お風呂に入って寝た



“普通”の日常を満喫していたのだ