結婚してから一、二年たった時のことだった 弥生さんは真面目な顔で善蔵さんを訪ねた そして告げた 「私、赤ちゃんが出来たみたい」 「私のお腹の中にはね、二つの命が宿ってるんだって」 ・・・おじいちゃん これを聞いた善蔵さんはなんともいえないくらい温かな気持ちになったという 弥生さんもとても優しい笑顔だったそうだ 紫雨さんの喜びようもまたすごいことになっていたらしく、会社の中ということも顧みず、大きな声で歓声をあげたという その時からまもなくのことだった 不吉は忍び足で二人に近づいていた