とてもじゃないけれど、美紅の様子はそんなに喜ばしいものではなかったと 自己の解放というプラスのイメージが付随するようなものではなかったと すべてを受け入れ すべてをあきらめていた 狂気に近かったのだと しかし善蔵の前でそのようなことは言えるはずがなかった いな、言っても無駄だとわかっていた だから言わなかった 言っておけばよかったと後悔することも知らずに